加工でん粉

加工でん粉による製品性能の向上

イングレディオンの加工でん粉は天然素材をベースに加工され、ほとんどの食品において高い機能性を発揮します。幅広い品揃えと自社開発の応用技術サポートで、食品の加工耐性、保存安定性、食感、外観など、あらゆる品質を向上します。

加工でん粉は食品添加物に分類され、ヨーロッパでは添加物に付与されるeナンバーが付与されています。主な加工（化学修飾）には、架橋と安定化があり、食品を製造するうえで、以下のような数多くの利点をもたらします。

• 熱、酸、せん断などの加工耐性の向上
• 品質保持期間中の製品の安定性維持、食感の向上
• 非加熱状態での増粘、食感付与
• 高温時の粘度上昇抑制、適度なゲル強度付与
• フィルム形成、照りつややサクサク感の付与
• 冷解凍耐性向上、品質保持期間中のおいしさ維持

イングレディオンの技術、マーケティンググループが、トレンドを先取りする製品開発をサポート、お客様を成功に導きます。

加工でん粉にはさまざまな種類があり、それぞれにeナンバーが付与されています。

リン酸架橋でん粉 (E1412)
リン酸架橋でん粉（E1412）は、幅広い食品に独特の食感を付与し口あたりを改善さします。 PURITY™DとTEXTAID®Aはどちらもリン酸架橋でん粉で、消費者が好む食感を作ります。 PURITY™Dは、特に低pHの食品において、高温時において滑らかでショートな食感を提供し、その後冷却すると柔らかいゲルを作ります。この製品は、フルーツジェル、ベーカリー、クリームフィリングに広く使用されています。

リン酸化リン酸架橋でん粉 (E1413)
リン酸化リン酸架橋でん粉（E1413）は、冷凍解凍時に製品の物性を安定させるのに役立ちます。 PRECISA®680（日本未導入）はこのタイプ加工でん粉であり、ホエー分離処理工程においてチーズ生産の収量を増やし、あるいは原材料の使用量を抑制します。非常に高い保持率により、ホエイストリームの品質を高く維持し、チーズの食感を変えることなく、大幅な歩留まりの向上を実現します。

アセチル化リン酸架橋でん粉 (E1414)
アセチル化リン酸架橋でん粉（E1414）は、油脂を多く含む食品を安定させるために使用され、油脂を乳化し分離するのを防ぎます。この加工でん粉を食品に加えるとゲルを形成し増粘、さまざまなアプリケーションに使用されています。PURITY™69（日本未導入）はこのタイプの加工でん粉であり、フルーツパイのフィリング、グレービー、ソースなどの用途に最適です。

アセチル化でん粉 (E1420)
アセチル化でん粉（E1420）は、主に増粘剤として使用されています。特に高温および低pHで安定した挙動を示します。 CRISPFILM™とCheeseApp70（日本未導入）は、このタイプの加工でん粉です。

アセチル化アジピン酸架橋でん粉 (E1422)
アセチル化アジピン酸架橋でん粉（E1422）は高いプロセス耐性を備えているため、耐熱、耐シェア、耐酸性があります。増量剤、安定剤、増粘剤として食品に使用されています。 COLFLO®67はアセチル化アジピン酸架橋でん粉一例で、優れた凍結/解凍安定性と低温保管時のへの優れた耐性が特徴です。本品はフルーツフィリング、冷凍食品、グレービーソースなどによく使用されています。

ヒドロキシプロピルでん粉 (E1440)
ヒドロキシプロピルでん粉（E1440）は、アルカリ性条件におけるの食品の安定性を高め、より良い色、照り、テクスチャーの付与に使用されます。ソース、シロップ、スナック、クラッカー等に使用されています。 INSTANT TEXTRA™（日本未導入）はこのタイプの加工でん粉の例で、タピオカに由来する冷水可溶の加工でん粉です。本品は流動性または半固体の状態では油のような特性を示し、優れた光沢、透明感、穏やかなテーストを付与します。従来のアルファ化でん粉と比較して冷蔵時のゲル化に対して優れた安定性を示し、またクラッカーなどの低水分の食品ではカリカリ感を向上します。

ヒドロキシプロピルリン酸架橋でん粉 (E1442)
ヒドロキシプロピルリン酸架橋でん粉（E1442）は、高い加工耐性を備えています。アルカリ性条件でより安定しており、優れた冷凍解凍耐性を備えています。 NATIONAL™465は、このタイプの加工でん粉で、優れた低温保存安定性となめらかでクリーミーな食感が特徴の、用途の広いでん粉です。クリームのような高pH食品のほか、酸の少ない食品での使用をお勧めします。缶詰製品、特にクリームベースのソースやプリンなどの低酸の無菌加工食品に特に適しています。この製品は、冷凍食品にも使用されています。

オクテニルコハク酸でん粉ナトリウム (E1450)
オクテニルコハク酸でん粉ナトリウム (E1450) は、製造プロセスを容易にすると同時に、高品質の最終製品を実現するでん粉製品です。 CAPSUL®はこのタイプの加工でん粉であり、フレーバーオイルの粉末化化用に特別に開発されました。本品は粘度が低く、親水性と疎水性の両方の特性を備えています。高固形分での低粘度、強力なオイル保持特性により、従来の粉末化の系よりもプロセス効率と品質を大幅に向上させることができます。

イングレディオンは、タピオカ、ジャガイモ、米、トウモロコシ、エンドウ豆など、幅広い種類の澱粉を取り揃えており、お客様にトレーサビリティと持続可能なビジネス慣行を備えた、一貫した品質の信頼性の高い製品を供給します。

イングレディオンの加工でん粉の原材料は天然由来で、あらゆる食品用途において優れた機能性を発揮します。イングレディオンは広範な原料・製法・市場に関する専門知識でお客様をサポートします。